まだ1年と言ったら良いのか。
あの大震災から
今日まで刻んだ時に対して
人それぞれの感じ方があるでしょう。
時を重ねただけでは
癒されないこともあるし、
時が経てばその分
違う虚さに見舞われることもある。
時が過ぎたからといって
物事が解決されたり
前進する事ばかりではないけれど
それでも、
この1年を振り返り
その時々の気持ちを
思い起こしてみることは
私達にとって
必要なことなのでは?
そんな思いを胸に
10日夜
「3.11前夜の想いと祈り」
と題するチャリティーイヴェントを
鎌倉生涯学習センターホールで
開催した。
まずはロビーホワイエでの一夜限りの展覧会。
そして、アトリエMのメンバーによる
絵画作品を
ステージの後ろに映写し
その前では
昨年の3/11からの1年の季節の移ろぎを
映像に沿いながら
音楽や朗読で綴っていく。
美術や音楽といった分野は
震災当初
一体被災された方々の
何の役に立てるのか・・・
と、その存在意義自体を
自問自答することもあったけれど
今ははっきりと分かる。
直接、人々の心に
思いを届ける力があるのだと。
プログラムの間で
被災地で
ボランティア活動をする3人の方々から
生の声をうかがうインタビューコーナーを
設けた。
日常の言葉では
伝え切れない被災地の惨状が
お一人お一人の体験を通して
時に静かに、時には荒削りながら
飾らない言葉の端々から感じられた。

震災後
企業のTVCM放送の自粛で
その穴を埋めるべく繰り返し流された
ACのCMー金子みすゞの詩。
その詩に
作曲家の新垣壬敏先生が曲を付け
先月都内で発表されたばかりの
新作5曲を
私が歌わせて頂いた。
「こだまでしょうか」「星とたんぽぽ」
「土と草」「はちと神さま」「鈴と小鳥とわたし」。
シンプルなメロディーであるがゆえに
その言葉の響きがダイレクトに胸に届き
伝えようとする詩の意味が
まるで海綿に水が沁みこんでいくように
スーッと体や頭、意識や心のヒダに
充満していく。
歌いながら、

どうしようもなく
こみ上げてくる
何とも説明しがたい感情。
音楽と言葉が一つになってこそ
一つになったからこそ伝わるメッセージがあるのだと
実感したステージだった。
結局は

自分に出来ることでしか
関われないのだけれど
微力であっても
その思いを持ち続け
被災地やそこでくらす人々
戻りたくても故郷へ戻れない人たちと
何処かで繋がっていたい
と思った。
(Photo:Harita&Oguri)
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