2016年1月21日木曜日

バイバイ カマキン

カマキンの愛称で知られる
神奈川県立近代美術館(鎌倉館)が間もなく閉館になる。

寂しいの一言に尽きる。

八幡宮の境内に美術館を造る。
多分、当時は画期的なことだったと思う。

日本で最初の公立美術館。
65年前昭和26年のオープン。
初代館長を務めた祖父村田良策の開館するにあたっての苦労話を両親から聞いていたからかもしれない。





 
私にとっては
特別な場所で
家族との沢山の思い出が詰まった場所。

身近な場所でありながら
何か自分が
そこに佇むことで
ちょこっと成長した気がする!?(細胞が活性化するような)
空間だった。






新しいモノの見方や
表現することの多様さ
絵画や彫刻など
作品の楽しみ方=美術の鑑賞の仕方を
自然と身に付けさせてくれた場所でもあった。




今日はどんな作品と出会えるんだろう、と
ウキウキ♫して
正面の階段を上がっていった懐かしい日々。

祖父が他界したあとも
両親に連れられて
展示替えがある毎に
頻繁に美術館に行った。

両親(祖父母)の写真に見入る父


開館したての美術館を訪れる祖母と見守る祖父

祖父を知る学芸員の方や
チケットもぎりの女性
お掃除をするおばちゃんたちに声を掛けられ
祖父の思い出話をするのも
楽しみのひとつ。


カフェテリアの壁画も一見の価値あり

そうそう
楽しみ、と言えば
2階のカフェ・テリアで食べる
ヨーグルトムースとプリンも!
ここならではの、家庭的な味。

手作りで個数も限られてて
午後には、なくなっちゃうけどね。
好きだなぁ。
(今回訪れた時は
残念なことに、売り切れてて 食せず。
今月中に、絶対、また、行く!
展示もだけど、味の記憶も大切だし)

カフェ自体も居心地良くて
ずーーーーーっと、居られる(笑)



建物の美しさは

言うまでもなく。
坂倉準三さんだものね。
祖父の後輩。
現代建築の巨匠、ル・コルビュジェの弟子でいらした方。

自然との調和。
空気、水、木々の緑、光・・・
あの建物には
すべてを受け入れる度量の深さがある。





人にストレスを与えない。
感性を解き放ってくれる空間。

そんな場所で
世界の魅力溢れる美術作品と出会える幸福。

それ自体が
なくなっちゃうのが
寂しい。悲しい。悔しい。

あと、何日?

見納めって言葉は好きじゃないけど
焼き付けておきたい、
脳裏・・・いや
心に、かな。 


そして
私の中に
祖父が残してくれた
人としてのコアな部分。
自分の感じ方やセンスみたいなモノへの
信頼、自信。
大切にしたいな、この先ずっと。



ありがと
カマキン。
ありがと
じぃじ。

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